ボトックス治療
ボトックス治療
歯ぎしりや食いしばりでお困りの方へ
朝目覚めたときにあごが疲れていたり、日常的に首や肩に重さを感じていたりする場合、それらの原因は歯ぎしりや食いしばりであるかもしれません。
歯ぎしりや食いしばりは、無意識に行われているため、自分では気づきにくく、ご家族に指摘されて初めて自覚されるケースがよくあります。
無意識下の行為であることから、通常の咀嚼時よりも大きな力がかかるため、放置しておくと歯が欠けたり、折れたりと、お口の健康に悪影響を及ぼすことがあります。早めに対処を行っていきましょう。
歯ぎしり・食いしばりの原因
- ストレス
強いストレスは、歯ぎしりの主な原因とされています。日常生活で発生する様々なストレスを、無意識に行う歯ぎしりや食いしばりで解消していると考えられます。 - 歯並び
歯並びに問題があると上下の歯の嚙み合わせや悪くなり、歯ぎしりの原因になることがあります。また、詰め物や被せ物の高さが合わない場合も、安定したかみ合わせができずに歯ぎしりを引き起こす可能性があります。 - 集中している時間が長い
人は何かに集中する際に集中力を高めようとすると、無意識に歯を食いしばることがあります。この集中している時間が長くなると、歯に負担がかかり原因となります。 - スマートフォンの長時間使用
スマートフォンの使用時に下を向く姿勢になってしまい、その結果上下の歯が当たる時間が増えたことも要因の一つと考えられます。
歯ぎしり・食いしばりによる体へ影響
歯ぎしりや食いしばりは、無意識のうちに歯を強く噛みしめたり、噛みしめたまま左右に動かしてしまう生理現象です。
習慣化していくと、以下のような影響が見られる場合があります。
- 過度な負荷がかかるため、健康な歯が欠けたり、割れてしまう。
- インプラントや被せものなどの修復物が破損したり、外れてしまう。
- 歯の表面にマイクロクラックと呼ばれる細かいヒビが入り、知覚過敏を引き起こす。ヒビから細菌感染し、むし歯になる確率が高まる。
- 顎の骨もダメージを受け、骨吸収と呼ばれる、顎の骨が下がる現象が起こる。歯を支える土台が不安定になることで、歯周病の悪化が進行しやすくなる。
- 噛み合わせが悪くなり、普段とは異なる場所に歯が当たることで、舌や頬の粘膜がこすれたり圧迫されると炎症を起こし、口内炎が生じる。
- 咬筋が発達して大きくなることで、エラが張ったようなフェイスラインになる。
- 顎関節の痛みや、顔周辺の筋肉の緊張による肩こり、頭痛など、お口の中だけでなく、周辺部への影響が生じる。
現在、歯ぎしりや食いしばりを完全に抑える治療は確立されておらず、これらの悪影響を軽減する治療が行われております。
一般的には、ナイトガードというマウスピースを使用した治療が行われますが、これで効果が見られない方や、マウスピースに馴染めない方に対しては、筋肉の活動を抑える「ボトックス治療」が有効となる場合があります。
ボトックス治療について
ボトックス(ボツリヌス)治療は、「ボツリヌストキシン」という有効成分を筋肉に注入し、筋肉の働きを弛緩させることを目的にした治療法です。
ボトックスは、ボツリヌス毒素から毒素を除去した成分であり、実際にボツリヌス菌を体内に注入するわけではないため、ボツリヌス中毒の心配はありません。
自身ではコントロールできない無意識下での筋肉の緊張を和らげ、歯にかかる負荷を調整することができるため、咬合時の歯の負担や損傷を軽減する効果があります。
美容の分野ではシワ取りとして広く利用されていますが、歯科においては筋肉をリラックスさせることで、歯ぎしりや食いしばりを抑えるために使用されます。
この治療は注入した部位にのみ効果を発揮するので、他の筋肉が弛緩することはありません。
※「ボトックス」とはボツリヌス治療を行う際のアラガン社の商品名ですが、日本においてはボツリヌス治療のことを「ボトックス」との呼称で認知されていることが多いため、本サイトにおいても同様に表現しています。
歯科医院でボトックス治療を行う理由
ボトックス治療と聞くと、美容外科クリニックでの治療を思い浮かべる方が多いのではないか、と思います。
美容外科クリニックは、フェイスラインやシワの改善など、美容的な改善を目的としていますが、歯科医院では、噛み合わせや食いしばりの改善を第一の目的として、ボトックス治療を提供しています。
歯科医師は、お口やその周辺環境の専門家です。
筋肉のこわばりを和らげ、歯ぎしりや食いしばりが軽減すると、噛み合わせや顎関節の状態を改善させることにつながりますので、お口周りもより自然な状態に整うことができる、と考えています。
ボトックス治療の流れ
- 01かみ合わせやお口の中の状態をチェック
- 02女性の患者さんには、施術個所のみメイクを落としていただきます。
- 03表面麻酔を塗ってから、該当箇所にボトックス注射を打ちます。
- 04注射後3~7日程度で効果が現れ、約4~6か月間効果が持続します。
ボトックス治療の効果持続期間
効果の持続期間は個々の患者によって異なります。通常は4~6か月ほどで、永続的な効果はありませんが、定期的にボトックス注射を受けることで、効果の持続期間が延びる可能性があります。
歯ぎしりや食いしばりが軽減されると感じるまで、定期的なボトックス注射をお勧めします。
料金:33,000円(税込)
ボトックス治療の注意点
- 注射を受けた部位が腫れたり、内出血や痛みが生じたりする場合がありますが、これらの症状は一時的なものであり、時間が経つにつれて消えることがほとんどです。
- ボトックス治療の後、最初の週に顎が重く感じたり、だるさを感じたりすることがあるかもしれませんが、これらも時間と共に改善します。
- 効果の持続期間は4~6か月程度で、一年に2回から3回の施術を継続的に受けることが推奨されます。持続効果がだんだんと延び、年に一度の注入で維持できるようになります。
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある場合、そして授乳中の方はこの治療を受けることができません。
- 妊娠をご希望の方は、男性女性問わず、3ヶ月の避妊をお願いします。
- 治療を受けることができるのは16歳以上の方となります。未成年の場合は保護者の同意が必要です。
よくあるご質問
-
Qボツリヌスとボトックスの違いは何ですか?
-
Q痛みはありますか?
-
Qダウンタイムはどの程度必要ですか?
-
Q副作用はありますか?
-
Q治療後の運動やお酒について教えて下さい。
-
Q入浴などで気を付ける点はありますか?
-
Qボトックス治療で中毒になる心配はありませんか?
-
Qボトックス注射ができないケースはありますか?